2023年1月に読んだ本

NHKテレビ『100分deフェミニズム』で知った上間陽子さん。
とても柔らかな雰囲気であるのに力強く沖縄のことを発信されている様子に興味をもち著作を読みました。
『海をあげる』は2021年本屋大賞ノンフィクション本大賞作品です。
沖縄といえば綺麗な海、なんて能天気に捉えていた私にガツンと喝を入れられました。


1月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2584
ナイス数:212

海をあげる (単行本)海をあげる (単行本)感想
NHK「100分deフェミニズム」で初めて知った筆者の、本屋大賞2021ノンフィクション本大賞 大賞作品。ご自身のこと、ご家族のこと、若年出産女性調査のこと、沖縄の戦争や基地のことなど12のエッセイです。どのエッセイも印象的ですが、沖縄には観光で行ったことがあるだけの本土住みの私が頭をガツンと殴られたような衝撃を受けるのが最後のエッセイ「海をあげる」です。これまで沖縄に押しつけてきたものを私はどう受けとめていけばよいのでしょうか。
読了日:01月31日 著者:上間 陽子
紙屋ふじさき記念館 結のアルバム (角川文庫)紙屋ふじさき記念館 結のアルバム (角川文庫)感想
シリーズ6作目。コロナが流行し始めた2020年初めから約1年間、主人公が大学3年から卒業直前の物語です。コロナ禍での大学生活を中心に、当時の世の中の様子がそのまま切り取られています。オンライン化で紙の需要が減りつつある時代、それを逆手にとって手紙や手作りアルバムの意義が取り上げられています。主人公は私が想像していた通りの進路に進むことになり、そして、まさかの川越で記念館再開となりそう!続きが気になります。
読了日:01月29日 著者:ほしお さなえ
女ぎらい――ニッポンのミソジニー女ぎらい――ニッポンのミソジニー感想
NHK「100分deフェミニズム」で筆者ご自身が紹介されていた本。番組では主にホモソーシャルとホモフォビアとミソジニーについての紹介でしたが、本書ではそれ以外にも多くのミソジニーについて紹介されています。「母と娘のミソジニー」「女子校文化とミソジニー」は結構身につまされる点が多いです。「女のミソジニー」で林真理子作品の読後感が悪い理由を提示され納得。そして女性作家のミソジニーなしの読後感の良い小説が増えているという指摘があります。私自身とても好きなジャンルですね。アグネス論争、昔よく読みました。
読了日:01月28日 著者:上野 千鶴子
夏の体温夏の体温感想
短編3作品。『夏の体温』は長期入院中の小3男子と低身長の検査入院で二泊三日の滞在の小3男子の友情物語。入院の辛さやコンプレックスを抱えながらも前向きに楽しむ彼らがとても魅力的。小学生が読むと響くのではないかな?と思いました。他の2作品も優しい物語で、幸せな気持ちで読了しました。
読了日:01月21日 著者:瀬尾 まいこ
わたしからはじまる: 悲しみを物語るということわたしからはじまる: 悲しみを物語るということ感想
著者は未解決殺人事件の被害者遺族です。スティグマについてやグリーフケア、ご自身が主宰する「ミシュカの森」の活動、マスコミ報道や最近ではSNSでの発信についての思いなど、多岐にわたる内容で、一読しただけでは消化しきれないのが正直なところです。事件の第一発見者である亡くなったお母様への思いを書いたページに胸を打たれました。
読了日:01月15日 著者:入江 杏
裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち (at叢書)裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち (at叢書)感想
NHK『100分deフェミニズム』に出演されていた筆者の著作。沖縄で夜の仕事をする少女たちへのインタビューをもとにした本。彼女らをとりまくあまりにも過酷な環境は、少し前に読んだ大正時代の貧困の物語のようです。崩壊した家庭環境、クズすぎる男(働かない、暴力が日常)、女性の性を搾取する悪循環に取り込まれてしまうこと、読んでいて辛すぎました。定時制高校に通い塾に通い進学して看護師になった少女の話には救われました。
読了日:01月13日 著者:上間陽子
君といた日の続き君といた日の続き感想
10歳の娘を病気で亡くし妻と離婚した主人公の前に突然現れた少女。タイムスリップしてきたらしい彼女は一体誰なのか?推測しながら読み進めました。時空を超えたラブストーリーと言えるかもしれません。二人が再びわかり合えるようになるといいと勝手に希望します。
読了日:01月09日 著者:辻堂 ゆめ
無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記感想
筆者が癌がわかってから亡くなる直前までの約5ヶ月間の日記です。ほとんど入院することなく在宅医療を受けながら旦那様とふたり暮らしだったようです。私の夫も若くして癌で亡くなりました。闘病の様子や体調など全然違っていますが、それでも死が近くにあることで感じる思いは重なるものがあります。筆者が旦那様のことを思う言葉を読むと、私の夫も似たようなことを感じていたのかなと想像したりします。いつか癌が治る病気になりますように。ご冥福をお祈りします。
読了日:01月06日 著者:山本 文緒
また、桜の国でまた、桜の国で感想
筆者作品初読みです。第二次世界大戦前後、外務書記生として赴任した白系ロシア人を父に持つ日本人と、彼に関わる様々な出自の登場人物が、戦前戦中のポーランドを舞台に繰り広げる物語です。戦争を避けるべく力を尽くす人々がいても開戦となり、泥沼の戦争の時代に進んでいく中で、登場人物たちの選択はどれも尊く、でも切ないです。私にとってポーランドは「ショパンの国」ですが、こんな歴史をもつ国だったのですね。『革命のエチュード』が悲しく響きます。ずっしりと読み応えのある物語でした。
読了日:01月05日 著者:須賀 しのぶ

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かりん
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夫を送り、両親を送り、子供たちは巣立ちました。
本とドラマと時々舞台を楽しめたら幸せ。
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