小説『きのうのオレンジ』を読んで、若くして癌を患うことの切なさをかみしめる

読後感の良い優しい小説が好きなので、書評などを参考にしながら好みに合う本を選んで読んでいます。
地域の図書館で希望の本を予約して読むことが多いですが、時には書店で購入することもあります。

2021年3月には9冊の本を読みました。
その中でもとりわけ印象深かった『きのうのオレンジ』を紹介します。
若くして癌を患う青年が主人公の物語です。


(以下ネタバレ含みます)

目次

33歳の素敵な青年が主人公

33歳独身、故郷の岡山を離れて東京で働く主人公が癌を患います。
癌もいろいろですけれど決して楽観できる状態ではない癌です。
病院で再会した看護師は高校の同級生、甘酸っぱい恋愛も切なさを増します。
勤務先のアルバイトの若い男性、故郷の家族たち、大切な人との関わりの中での最後の日々が丁寧に描かれています。
闘病だけでなく、仕事への取り組みや家族を作っていく努力など、人生の大切なことが詰まった物語です。若くして癌を患った患者の気持ちや周りの人の気持ちの描写もリアルです。

真面目に誠実に生きてきた若い人が癌を患う切なさがたまりません。
病気になりたくてなる人なんていない、病気に罹る理由は誰にもわからない、病気ほど理不尽はものはないです。
難しい病気であるとわかった時にどう生きるか、周りの人はどうするか。
小説を読みながら自分のこととして、または自分の大切な人のこととして考えて欲しいと思います。
私にとっては夫の闘病の日々を思い返す物語でもありました。
ひとりでも多くの人に読んでもらいたい物語です。

筆者は現役看護師

筆者の藤岡陽子さんは元新聞記者で現役看護師だそうです。
命の現場で出会ったいろいろな人から物語を紡ぎだしたのでしょうか。
そして元新聞記者らしい読みやすい文章で心を掴まれます。

彼女の作品はほとんど読んでいると思います。
今追いかけている作家さんのひとりです。

映像化も希望します

映像化もされたら良いなと思います。
小説は素敵だけれども、本を買って、あるいは借りて読むのにはエネルギーが必要です。
テレビドラマなら何気なくテレビのチャンネルを合わせた人に物語が届きますよね。

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かりん
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夫を送り、両親を送り、子供たちは巣立ちました。
本とドラマと時々舞台を楽しめたら幸せ。
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