アニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」は何度もテレビで放送されていますね。
これは2012年の作品です。
夫の癌がわかっていたけれど分子標的薬が奏功していた頃です。
夫とふたりで映画館で観ました。
内容はあまりにも有名ですね。
若くして出産した主人公の夫(オオカミ)が事故で亡くなり、主人公のシングル子育てと子供たちの巣立ちまでが描かれています。
当時の私のツボは「ひとりで子育て」でした。
夫が海外単身赴任していた頃の夫不在で子育てする自分を、死別してシングルで子育てする主人公に重ねていたのです。
悩みながら夫の単身赴任を決めた時に長女は高校生で次女は中学生。
でも末っ子は小学校低学年。まだまだ父親が恋しいお年頃でした。末っ子だけなら迷わず同行したでしょう。
娘たちの教育を考えて日本に残ることを決めたのに、どうして家族で一緒に暮らすことを選択しなかったのだろうと常に気持ちが揺れていた日々でした。
その後、夫が天国に旅立ちます。
そして、メールすれば返事がくる単身赴任中を死別シングルの主人公と重ねていた自分を恥じました。
電話やメールで意思疎通できる単身赴任と天国への単身赴任とでは全く違います。
近くにいないだけで何を甘えたことを言っていたのか!です。
夫を亡くしてからは、夫が残してくれた子供をしっかり巣立たせないと!と、それだけで日々生きていた気がします。
ちょうど映画の主人公のように。
周囲の人々にも恵まれて、お蔭様で子供たちは夫に負けないくらい強く逞しい子に育ちました。(今のところ)
私は映画の主人公のように子供たちを手放し(息子はまだ家にいるけど)「元気で、しっかり生きて!」と叫んでいますよ。
でも映画には少し突っ込みどころもあって・・。
物語の舞台映像から主人公が通う大学がほぼ特定されます。
これでファンタジーから一気に現実に引き戻されてしまいます。
せっかっく入学した大学を卒業しないのかとか、乳児検診にいかなければ行政は心配するでしょうとか、気になってしまいます。
架空の町の架空の話で仕上げて欲しかったなーと、ついつい思ってしまいます。
などと書いてしまいましたが、良い映画ですよ。