タイトルが凄い『あのこは貴族』は、女子が自分らしく生きる話と解釈しました。映画も良かったです!(Netflixで鑑賞)

映画にもなった『あのこは貴族』(映画、まだみてないけど)
そのタイトルと、「東京のお嬢様と地方出身の女性が・・」という設定を聞き、女性のマウント取り合いみたいな話?そういうの苦手だなと思って素通りしていたのです。
が、どうも違うらしい。
というわけで読んでみました。
(以下ネタバレを含みます)

目次

東京の生粋のお嬢様と猛勉強して上京した女子

メインの登場人物はふたり。
小学校から私立の女子校育ち、家族や親戚に守られて東京で生きてきた華子。
地方で育ち親に反対されながらも猛勉強の末に東京の名門私立大に進学した美紀。

華子の婚約者は美紀の大学の同級生で実は男女の関係もある・・というとなんか嫌な話に展開しそうですが、、、

華子と美紀の共通の友人を介して2人は出会い、共同戦線をはっていくという展開になっていきます。

生まれ育った場所で生きるか、外に出るか

物語の中ではお嬢様である華子の、おそらく多くの日本人からすると浮世離れした生活がこれでもかと書かれ、ついついそちらに目を奪われそうになります。

でも、物語の本質はそこではない、と思うのです。

並行して美紀の故郷の人々も書かれます。
地元に生まれ、小学校中学校の同級生と子供時代と変わらず付き合う暮らしは、華子の生活と本質は同じ。生まれ育ったものからはみ出さずに生きている、ということです。

地元から脱却したくて進学を機に上京したのが美紀。
生まれ育った守られた土地とは違う東京で傷つきながら、自分の道を切り開いていく様子はとっても頼もしい!
華子と同じ学校で過ごしながらも海外に飛び出していく友人も並行して書かれます。
そして華子も、守られた、生まれ育った世界から出ていくことになるのです。

この物語には、傷つきながらも外へ出ていく女性たちへの応援メッセージが溢れていました。

「女同士を分断する価値観」

単行本206ページに
「世の中にはね、女同士を分断する価値観みたいなものが、あまりにも普通にまかり通っていて、しかも実は、誰よりも女の子自身が、そういう考えに染まっちゃってるの。だから女の敵は女だって、みんな訳知り顔で言ったりするんだよ。若い女の子とおばさんは、分断されてる。専業主婦と働く女性は、対立するようにしむけられる。(以下略)」
とあります。
抜粋では伝わりにくいと思いますが、これは男社会から仕組まれたこと、として女社会の分断について登場人物のセリフとして書かれています。
わかる、わかるわ~~、と膝を打ちました。
これは男性優位社会で仮想敵としての女性を設定することで男性の仲を悪化させないための悪知恵かもしれないなぁ、なんて思いました。

とっても面白い小説でしたが、フィクションと言いつつ1校のみ実名が出されていたのが気になりました。
筆者の母校かと思ったらそうでもないようで。
学校名は仮名の方がすんなり読めるんだけど、と思う私です。

あともう1点。
実家からの援助がなくなった美紀には奨学金があることを誰かが教えてあげて欲しかった。
なんとか卒業だけはさせてあげたかったと思ってしまいます。

追記 Netflixで映画を鑑賞しました とても良いです!

2022年11月、2021年の映画がNetflixで配信されたので鑑賞しました。
東京のお嬢様を門脇麦さん、地方から上京した女性を水原希子さんが熱演します。
門脇麦さんのファッションや彼女が小学校からの友人たちと出かける場所の風景はいかにも育ちの良い感じ。
そして水原希子さんが地元に帰省した時の街や人の様子は、これまた私自身が地元に帰省した時に感じる印象そのもの。
まさに「育ちが違う」彼女たちですが、自分の生まれた場所を離れて自分の生きる場所を切り拓いていく様子は同じです。
とても頼もしく、気持ちの良い映画でした。

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かりん
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夫を送り、両親を送り、子供たちは巣立ちました。
本とドラマと時々舞台を楽しめたら幸せ。
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